2枚目のライブアルバム。事実上これがラストアルバム。メジャーの1stからライブアルバムにしたかったという向井氏のライブへのこだわりや自信からも、ラストアルバムをライブアルバムで飾ると言うのは非常に彼ららしくて切なくなる。内容はその名のとおり、2002年11月30日、札幌ペニーレーン24で行われたラストライブの模様を完全収録。たいていライブアルバムと言うものは、MCが削られたりして空白の部分があるものだが、このアルバムはまさに完全収録。DISC1とDISC2の切れ目以外に切れ目がない。MCまで完全収録。チューニングの音も入ってます(笑)そして、そのセットリストもラストを思わせるベスト盤的選曲。ナンバーガールにベストアルバムは似合わないけれど、ベストアルバムを出すとしたら、これがベストアルバム。この選曲が、じゃなくて、この選曲のライブ音源をCD化したものがナンバーガールのベストアルバムとして一番相応しい気がする。よって、これは彼らの最初で最後のベストアルバムにして、ライブアルバム(強引)。 これまで最強のライブアルバムは『シブヤROCKTRANSFORMED状態』だと思っていたけれど、それを軽く超えてしまったこのアルバム。これを超えるライブアルバムなんてナンバーガール亡き後の音楽シーンに作り得るだろうか。このタイトルといい、DISC2の中尾氏の表情といい、OMOIDE IN MY HEAD前のMCといい、せつなすぎる。あの場に居合わせた私は本当に幸せだった。
0:01「最高〜!!」という声で観客全体の興奮状態を一秒にして表した後、あまりにも熱くなり過ぎた会場をなだめるかのごとくのdelayed brain。CD聴いてるこっちもやっと一息、頭をクールダウンです。3:19〜のリバーブがかかったスネアの響きが気持ちいい。そして2つのギターが絡み合うところがひじょーにイイです。ぐっときます。渋いナンバーガールもまたバリヤバであります。最後の向井氏の「Frustration in my blood」がまた渋い。
**MC**
えーと、まず。11月30日の札幌はあんなに熱くないものです(←札幌出身の人・笑)。
今回のナンバーガールラストツアー「NUM無常の旅」、札幌以外の地では決して口にすることの無かった「最後」という言葉が遂に
向井氏の口から発せられたとき、「あぁ。終わるんだ・・。次はOMOIDE IN MY HEADだ。」と思ったんですが。(先読みし過ぎ?)このMCを聴いてもらえばまた会場の雰囲気が良く伝わると思いますが、ブッチャーズ、イースタン、ブルーハーブ・・・それぞれに歓声が違うところから聴こえてくるのがわかりますか?このノリが好きです。
あーでもやっぱり、何回聴いてもダメですね。このMCを泣かないで聞ける時は来るんだろうか。
これが正真正銘、最後の「福岡市博多区から参りました、ナンバーガールです。」
このMCで泣けない人は病院にいった方がいいです。悪いこと言わないから、病院行って下さい。(笑)
OMOIDE IN MY HEAD
ドラムス、アヒトイナザワ。のドラミング(やっぱりいつもどおりすごい!!)のあとの、歪んだギターの音。これを聴くとまず最初に、はじめてこの曲を生で聴いたRISING SUN ROCK FESを思い出します。やっぱり、なんといっても絶対不動の1位。一番一番大好きな曲。のぼりつめて行くギターの音、そのあとのブレイク中の観客の叫び声。ここで完全私はダウンでした。「おい!」で拳を振り上げた後、涙が止まらなくてタオルで顔を覆ったまましばらく動けなかった。でもどれだけ私が泣いても最後は最後。網膜に鼓膜に焼きつけるためになんとか自分を奮い立たせて、全身全霊で見ました。たぶんライブ後3日間にもわたって筋肉痛が続いたのはこの時の暴れ方が今までにないほど凄まじかったからだと思われます(笑)。この曲中、泣いてる人ばっかりでした。男の子も女の子も。あ。男の人、女の人と言った方が正しいかも。なんか全然このCDの曲のこと言ってないですが、もう何も言うことはありません。というか言葉では言い尽くせない。最後!と思ってやってるからこその迫力がある演奏だけど、そんなセンチメンタル過剰にならざるを得ないあの状況下でこの演奏。信じられません。キメのとことか、息ピッタリ。あの時は泣いてばかりでよく聴くことすらできなかったけど、今聴いてみて改めて、彼らのすごさを実感です。ああ、涙涙涙。
前曲OMOIDE IN MY HEADから少し落ち着きを取り戻して、しかしこの曲・・。攻撃的にまくしたてて泣かせた後は、じわじわと泣かせる作戦ですか。じつはもうあまりに泣き過ぎてあんまりこの曲の時のこと記憶にないんですが(最悪)、CDで聴いてみると、テンポこそ速くなってるけどライブなんてそんなものだし、素晴らしい演奏にほんとたまげますね。ライブバンドとしての意地?本能?プライド?見せつけたりって感じで。本当に最後まですごいライブで、憎たらしくなるくらい。2:07あたりのギターとベースの息のあい方は鳥肌もの。これが日本のロックシーンに絶大な衝撃と影響を与えた最強のライブバンド・ナンバーガール最後の演奏、最後の曲です。そして、あっさりいつも通りの「乾杯!」。最後の最後まで本当にナンバーガールはナンバーガールのままだった。ギターによる焦燥音楽。これすなわちROCK!!
**番外編**
「一部、歌詞を忘れてテキトーに歌ってます。」と堂々と悪びれもなく書かれている歌詞カード(笑)。1ページ目、自分を一生懸命探しましたがわかりませんでした(当たり前)。NUM AMIDABUTZの歌詞が載ってるページ、OMOIDE IN MY HEADの歌詞が載ってるページ、それからCDを買った時にもらったポスターあたりを眺めながらこのCDを聴くと、ライブ会場に飛べます。
それから透明少女の歌詞が載ってるページの中尾氏が最高。そしてなんと言ってもDISC2の中尾氏の表情。ヤバいです。